It's Another World

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ホームの脇に置かれた、これまたこの駅にあう木製ベンチ。 ペンキの剥がれ具合や、割れた板がこの場から浮く事なくうまくマッチしていた。 日影良し。 風当たり良し。 一人分のスペース良し。 いやぁ、なかなかの優良物件ですな。 「これならいけるか……?」 割れた部分は背もたれの端だから問題なし。 ベンチの脚を蹴ったり板を手で押して安全を確認する。 うん、具合良好。 「さてさて、取り敢えずは寝ましょうかね」 履いていた靴を脱ぎ捨て、ごろりと狭いベンチに寝転がる。 ……物の数分で寝息が聞こえるようになった。 ―――――――――――――― 「……ぉ……ぃ……ぉーい……」 身体が揺れる。 鳴り響く汽笛に自分を呼んでいるのであろう声。 寝汗なのか、嫌に身体中がべたつく。寝苦しい。 起きる要素は完璧な程に揃っている。 おし、起きよう! 「ん……あと5時間」 「甘えんなガキィィィ!!」 断罪チョップが腹を二ツに叩き折った。
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