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「ゴフゥゥゥ!? 切れるほどに鋭い!?」
上半身と下半身が「さようならー」してしまうかのような痛みに、一瞬で眠気も何処えらやら。
あー……生きてる。生きてるよ俺。
身体がくっついていることに安堵しながら、断罪チョップとやらを放った主を睨み付ける。
おいおいおいおい、こちらを見下しながら耳をかいてやがりますよ。
そんな相手は20代前半の男。
恐持ての顔に、似合わない服装。と、いうよりは制服なんだろう。
帽子から痛んだ髪が見えている。
安い言葉で片付けるなら”ヤンキー車掌”だった。
「あぁ? んだ坊主!?」
小指にこびりついた耳かすを吹き飛ばし、盛大にメンチをきってきた。
しかし臆する事はない。
経験上、自分から喧嘩を売ってくる奴に対した奴はいない。
ま、格闘技経験者であっても負けないんけどな俺は。
――天才だから。
「あ゙? 人の寝込みを襲っといて何様だこら?」
相手から眼を離す事なく、互いに息がかかるほどに接近する。
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