It's Another World

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何はともあれ、実は何気に鉄道好きな俺にとっては、SLなんてヨダレもんなわけで。 リアクションこそしなかったものの、心臓なんかはバクバクなわけで。 眼なんか……あー、もういいや。それより速く乗り込もう! 自分でも無意識下かに鼻息を荒くさせながら、今車内へと足を―― 「待てコラ」 ムンズッ 何やら古めかしい擬音と共に身体が前に進まなくなった。 ヤンキーの清潔感ある白い手袋を嵌めた手が、俺の襟を掴んで離さない。 「気が早いっつの。 じょーしゃけん、見せてもらおうか?」 ヤンキーは切符を切り取るちっちゃいペンチ見たいなアレ――名前わかんねぇや。 そんな感じのアレをカチカチ音を鳴らせていた。 「へーへーせっかちさんだなおい。えーと、乗車券ね。 ……乗車券?」 「乗車券」 「乗車券?」 「乗車券」 持ってねぇよ。
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