苦し紛れに叫ぶ人

3/3
前へ
/20ページ
次へ
変だ。 手を動かす。顔を触る。息を吸う、吐く…… 夢じゃない。 そりゃそうだ。 冷たいって、感じ取っているんだから、そんな事しなくても、わかっていた。 不意に光が消える。曇った空が立ち込める。だからと、僕は思った。 口は開く。けど、立てない。足が動かない。 雨が降る。しとしとと、いつまでも止まないかのような雨が…… 無性に怖くなった。 僕はだれ? ここはどこ? 灰色の地面は、雨に濡れた土。 ここは…… 墓場だった。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加