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少年は少女の視線がレリーフにいっている事に気付く。
そして少年は机に無造作に置かれていたレリーフを拾い上げる。
(しまった……)
万事休す。少女は唯一の希望をあっさりと砕かれてしまった。
しかし少年はそのレリーフを奪うのではなく、少女に手渡した。自らのレリーフと共に。
「あ……えっと……えぇ!?」
少女は余りにも自分の予測していた出来事と掛け離れすぎていて、驚き、混乱していた。
更に少年はまたも驚きの行動に出る。
「頼む! 少しだけでいいんだ!! ほんの一時間……いや、30分でいい!
そしたらまた出ていく……だからそれまで此処に匿ってくれ!!」
土下座……家に侵入してきた男は自分を脅すのではなく土下座をしている。
その異様な光景は誰でも驚くだろう。それは少女も例外ではなかった。
だがそれが少女の何かを動かした。
「はぁ……わかったわ」
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