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「ホントにごめんなさい。だから追い出すのは勘弁して下さい」
安い土下座を繰り返す少年。
それを見下ろすように少女は拳にかかった返り血を拭き取っている。
服もジャージへと着替え済みだ。
「次はないと思いなさい。えと……名前は?」
「な…まえ……?」
少年は少女の質問に驚いたそぶりをみせる。
「なによ、名前くらいあるでしょ? ちょっとの間でも名前知ってないと不便だしね」
少年は考えた末に言葉を紡ぎだす。
「ジェイド……ジェイド=フリークスだ……」
「そ。私はアリス=クラシア。よろしく……はしなくていいわね。変態さんと仲良くしたくなんてしたく無いし」
アリスは少々冷ややかな視線をジェイドにおくる。
怒りはまだ収まっていないみたいだ。
「まだ引きずってんのかよ……
こっちだって貧にゅ――」
ジェイドが明らかな禁止ワードを言いかけたその時、突然ジェイドの隣の花瓶が破裂した。
「よかったわね。完全に言い切ってたらあんたの頭が破裂してたわよ」
ジェイドはこの時思っていた。女は怖い……と。
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