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「いや林檎をちょくちょく盗んでたらばれちゃってさ。
またその親父がしつこくって!!」
熱弁するジェイドだが、アリスは完全に疑っていた。
「あんた……嘘つくなら、もうちょいましなのにしてよ。
こっから街まで30分以上かかるのよ!? そんなに追っかけてくる訳無いでしょうが!!」
机を思いきりたたき付けるアリス。その興奮のしぶりは、少し異常と言えるほどだった。
「嘘じゃないって! 今までの分がばれたんたんだなきっと! なんせ、累計千個ぐらいとってきたから――」
「もういい……」
アリスは『もう諦めたと』と言わんばかりに小さくため息を漏らす。
「言ってくれないより嘘つかれる方がもっと嫌いだから。
それに誰に言いたくない事だってあるよね……ちょっと自己嫌悪……」
そう言って自身の髪を掻きむしるアリス。その行為から自身への苛立ちが伺える。
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