少年はピエロ

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「……悪い」 申し訳なさそうに顔を俯かせるジェイド。 「いいわよ。別に追い出したりしないから安心して」 そういってアリスは立ち上がり、歩みをキッチンの方へと進めていく。 「今日はなんだか寒いからね。紅茶でも飲む?」 アリスは言いながらも軽く隣の部屋を見る。"寒い"は明らかにあの事を指している。 「まだ引っ張るか……。 紅茶、美味しくいれてくれよな」 先程まで暗く沈んでいたジェイドの顔に光が灯ったようだった。 「嘗めないでよね。こう見えても紅茶いれるのには定評があるんだから!!」 ジェイドはどう見えて? とはあえてツッコまない。 トントン! この二人だけの空間に不意に訪問者が訪れた。
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