少年はピエロ

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「レイ……かな? ジェイド、一応隠れ――」 アリスに言われるまでも無く、既にジェイドはベッドの下へと潜り込んでいた。 「はっや……じゃなかった。ハーイ! 今出まーす!!」 アリスは外にいる訪問者を待たせてはいけないと、小走りで玄関に向かう。 「どなた様ですか――」 ドアを開けた先にいたのは、軍の紋様の彫られた鎧を着る品のある若い男と、フードを顔が隠れるまで被っている怪しげな男の二人組だった。 鎧の男はアリスが出て来るなり、お手本のような敬礼をして見せる。 「私はカーム国王族直属第三部隊隊長のアルツと申します! 隣の男は副隊長のユーロ。」 アルツと名乗る男は長い肩書をスラスラと読み上げる。 そして隣のユーロと呼ばれた男は、挨拶をするわけでもなくただ不気味に笑みを浮かべていた。
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