少年はピエロ

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「カームと申しますと……あの隣国の!?」 驚愕の表情を浮かべるアリス。 それも無理は無い。カーム国は此処パラミド国から国境まででも800キロメートルは離れている。 つまり実質ジェイドはそれだけの距離を逃げて来た事になるのだ。 「えぇ。何かありましたでしょうか?」 少し戸惑い気味に尋ねるアルツ。 アリスは内心マズイと感じていた。今の話には別段驚く所はない。 あくまでいつも通りを演じねば…… 「い、いえ……。それでカーム国の方がどうしてこんな所へ?」 アリスは出来るかぎりの平静を装う。 隣国の部隊長がわざわざジェイド一人を捕まえに来ている。余程罪が重いのかそれとも……。 とにかくジェイドを守らないと。アリスはそれだけを考えていた。
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