少年はピエロ

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アリスの指が指し示す先は、あの窓が壊れた隣の部屋だった。 ガァン!! ユーロはアリスの指が止まったのを確認すると、アリスも反応出来ない程の速さでドアをぶち破った。 一瞬唖然とする二人だったが、アルツは直ぐにユーロの後を追った。 アリスも後ろに続く。 二人が部屋に入ると、ユーロは窓を眺めながら立ち尽くしていた。 「少し前にそのジェイドって人が窓を割って入って来て……私が大声をあげるとまたそこから外へ」 唇をギリッて噛み締めたアルツが壁を殴る。 「くそが! 一足遅かったか…… ユーロ! 我々も速く追い掛けるぞ!!」 ユーロはアルツが呼び掛けたのにも関わらず、依然として窓を見ながら立ち尽くしていた。
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