少年はピエロ

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「ぅ…あ……」 ユーロはアリスの首根っこを掴み壁へとたたき付けた。 「アイツは俺が殺す。それを邪魔する奴は誰だろうがぶっ殺す! それが女子供でもな」 アリスが苦し紛れに腕を振り回していると、手がフードに当たりって少しだけめくり上がった。 「!?」 血の気がひいた。 フードの隙間から垣間見えたユーロの顔は半分以上が火傷の後で覆われ、さらに右目が潰されている。 ユーロの顔がアリスの恐怖をより掻き立てた。 アリスは息が出来ないながらもユーロの腕に爪を立てて必死の抵抗を続ける。 が、男のユーロには効果は全く皆無で、首を絞める力はより強く増していく。 「嘘くせぇんだよ……てめぇホントはジェイドの居場所を――」 ユーロがそう言いかけたと刹那、ユーロの体は宙を舞っていた。
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