143人が本棚に入れています
本棚に追加
アルツは一通りユーロをシバき終えると、アリスへと向き合い頭を下げる。
「アリスさん、ユーロの奴が申し訳ありませんでした……」
そういってアルツはアリスに近付き、首筋にソッと手を添えた。
するとアリスの首周りを光が包み、内出血で変色していた部分がスロー再生のように元に戻っていく。
「あとこれを。こんなもので足りるとは思いませんが……慰謝料とドアの修理費です」
そういうとアルツはアリスに金貨を数枚握らせる。
それは高いと有名なクラシア学園の年間の授業料を賄える程の額だった。
「こ、こんな大金いただけません! 」
しかしアルツは爽やかな笑顔を浮かべ
「お気になさらずに。私とユーロのボーナスが飛ぶだけですから」
突き返そうとするアリスの手を無理矢理丸める。
困惑しながらふとユーロに目をやると、魂が完全に抜け切っていた。
最初のコメントを投稿しよう!