少年はピエロ

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「それでは私達はこれで!」 アルツは抜け殻と化しているユーロを引きずりながら出ていく。 「あ…! ちょ、ちょっと待ってください!!」 しかし相手は既にドアの向こう。のばした手は誰も引き止めなかった。 「何なのよもう! ……でも思わぬ臨時収入!! ぼろ儲け!!」 満面の笑みで金貨を片手に握りしめて小躍りする。 「でもいいのかな……?」 上機嫌だったアリスだが、金額の大きさにほんの少しの戸惑いをみせる。 「……まぁね! あんな嵐みたいな事があった訳だしこれぐらい……大丈夫!!」 が、目覚ましい程に素早く復活し、再び小躍りを始める。 「俺が出ていくタイミングが掴めないんだけど?」
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