少年はピエロ

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小一時間後。 アリスの部屋は乱れに乱れ、足の踏み場もない位に物が散乱し、小物から家具の配置まで全てが変わっていた。 中でも1番変わったのは―― 「何か言うことは?」 低く篭ったジェイドの声。 「えーっと、ドンマイ?」 暴走の治まったアリスの第一声。 「ドンマイ!? 俺のこの状態を見てドンマイ!?」 服の端を包丁で壁に縫い付けられ、身動きが取れなくなったところを襲う鈍器。 ジェイドの右目の上は青く腫れ、服はボロボロ。 変わり果てていた。 「う! で、でもお互い様的な部分も……」 「ない! 仮に俺に比があったとしても、多く見積もっても1:9! 割に合わなさ過ぎる!」 ジェイドは少し泣いていた。
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