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「はぁ……まぁいいや。匿ってくれてありがとうなアリス」
ジェイドは包丁を全部抜き終えると、窓枠へと足をかける。
「え? あ、ちょっと!」
「色々世話になったな。いつか……きっといつか礼いいに来るから! じゃあな!!」
そう言ってジェイドは颯爽と窓から飛び去――
「痛ぁ!?」
――れなかった。
「何キレイにシメようとしてんのよ!? 何よさっきからあの人達もあんたも自分勝手に話進めて……少しはこっちの話も聞きなさい!!」
バックに凄いオーラを出しながら怒鳴り散らすアリス。
ジェイドは縮こまっていた。
「……外、まだあの人達がうろついてんじゃないの?」
三角座りをしてコンパクトに纏まっているジェイドを、腕を組みながら見下ろす。
「ハイ……でも俺は全然大丈夫――です」
アリスは小さく溜息をつく。
そしてその長く美しい髪をぐしゃぐしゃと掻きむしり
「……泊まりなさいよ」
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