少年はピエロ

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「あうぅ……」 破片が命中した少女は頭を押さえ、涙目でその場に座り込む。 突然部屋に入って来た少女は、髪は栗色のショートカット。 ここにいるということはアリスと同じ歳なんだろうが、16には見合わない程の低身長で顔もやけに幼い。 二つ三つは下に見えるだろう。 「わ、悪い……大丈夫か?」 慌てて少女の傍に駆け寄るジェイド。 「い、痛いけどだいじょーぶ……」 少女は痛いながらも顔を上げ、その幼い顔で笑顔を作る。 そして少女は落ち着きを取り戻したようで、改めて部屋を見渡す。 物が散乱した部屋。 女子寮に見知らぬ男。 そしてその男はボロボロ。 「……修羅場!?」 「違うわよ!!」 「?」 混沌としていた。
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