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それから数時間後のこと。
太陽が真上をさそうかという時、ようやくベッドの布団がめくりあげられた。
「ん……どこだここ……?」
眠い眼を擦り辺りを見渡す、と白を基調とした色使いの中にピンクをアクセントと配置した、もろ女の子の部屋。
そうだ。昨日泊まったんだったっけか……
寝ぼけてよく働かない頭を水で洗って覚醒させる。
何時ぶりかな……こんなに安心して寝られたの……
思わず笑みが零れる。
やっと……やっと自分は自由になれたんだ。
しかし油断は出来ない。早く出なければ包囲網が出来上がって抜け出せなくなる。
出よう。そう決めてローブを羽織った時、机の上に忘れ去られた弁当包が目に入った。
……一宿一飯の恩義……か。
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