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「最悪だ……」
生徒犇めく教室の中、少女が一人鞄の底を覗きながらそう呟く。
そんな落胆した少女を見かけたのか友人が話しかけた。
「およ……どしたのアリス?」
アリスは鞄から友人へ視線を移す。
「あぁ……レイか。
もう今日は最悪よ……遅刻するわレポート忘れるわ、おまけにお弁当は寮の机。
あ、またお腹鳴った……」
アリスはうなだれて力無く机に突っ伏す。
ご飯3食キッチリ食べる健康少女のアリスにとって、昼食抜きは鞭打ち並に辛い仕打ちだった。
アイツが……ジェイドさえ私の所に来てさえいなければ……
いつの間にか怒りの矛先は理不尽にもジェイドへと向かっていた。
しかし拳を握る力さえなく、また間の抜けた腹の音がなる。
そんなアリスを大きな声で数人の友人が呼ぶ。
「アリスー! イケメンが! すっごいイケメンがアリスの事捜してる!!」
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