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少し前のお話。
「迷った……」
お弁当包みを持っていざ出発! と、意気込んでいたジェイドだったが、広すぎる学園。
幸い学園寮は敷地内にあったため、出てしまう事はなかったが、高等部の校舎に着く事すら容易ではなかった。
まぁ……なんとかなる。
根拠の無い自信を胸に、まずは少し遠くにあった建物を目指す事にした。
――――――――――――――
「おらぁっ! 待て貴様ぁぁぁぁ!!」
偶然肩がぶつかった黒髪のお姉さんと追いかけっこ中。
なんでこんな事に……?
俺は高等部への道を示す立て札を見つけ、順調に進んでいた筈だ。それなのに……
「待てと言っておるだろう! 学園への不法侵入!及び……わ、私のスカートの中を覗いた罪で打ち首にしてくれる!!」
なんて事になってんだ……?
俺を捕まえようとして、あの人が自分で転んで見せてきたのに……
しかし自分は捕まる事は出来ない。自分の事は学園内の教師には知れている筈。つまりこの女に捕まる=アイツらに捕まるだ。
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