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――一刹那の出来事だった。
ローブを着た男達の指にまばゆい光が灯った。
その直後に、その輝きを遥かに凌駕する輝きと熱量が男達を襲う。
少年が木々に触れていたのはこのためだった。
少年が仕掛けたのは、魔術に反応して起動する爆発系のトラップ。
巻き込まれれば数千度の熱が対象を焼き尽くす。
漆黒にさえ感じる暗さに気を取られて罠に気付けず、後ろにいた男達は成す術無く全滅した。
「っし……! 天は俺に味方するってか。
……馬鹿らしいな」
儚げな表情を見せる少年。
「味方してくれてんならそもそもこんなことになってねぇっての……」
唇を噛み締める。
その表情に少年の重い闇が海間見えた気がした。
そして少年は森を抜けた。
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