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「純樹じゃんっ!」
─えっ
美香が我に帰ると目の前には昨日の[木枯らし]純樹がいた。
「アヤカおはよっ」
「おーまーえなあ!ウチは先輩!おまえは後輩!ちゃんと敬語をっ─」
「先輩もっ!おはようございます!」
私?
「あ、うん。おはよう」
冷たい目をした。
ひかれる。
そう思って純樹を見た。
きっとこの男もこの目をされれば今すぐ逃げていく。
苦笑いして、ひいた目して、逃げていく。
そして二度と私に関わろうとしないはず。
「先輩ってピアノ上手でしょ♪」
え・・・
この人は私がピアノが大好きなのを当てた。
だけじゃない。
逃げない。
ひかない。
消えていかない。
そしてこんな私を見て
なんで目が
笑っているの…?
「…」
「美香ぁ~?」
「あっ、アヤカ!ゴメン。えっ…となんだっけ?ピアノ?超大好きだよっ!10年間やってる」
「やっぱり~?俺天才だっ」
「調子にのるなっ」
アヤカのデコピンが炸裂した。
「痛っ…!」
「…大丈夫?」
初めて自分から話しかけた。
「あっ、大丈夫っす!」
「あぁ、そう。なら良かった。」
「美香!行こう!チャイム鳴るよ!?」
「あ~本当だ!」
気づけば本鈴が鳴る2分前となっていた。
「じゃあなっ純樹」
「おぅ!またな!」
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