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何を言っているんだろ?この男は。
「携帯は持っちょらんのかえ?」
「あ! そうだ携帯! これで、助けが呼べるじゃない!」
慌てて、ブレザーのポケットを探る。
そして、携帯を開くと……、
圏 外
圏外?! 一体ここどこ?!
「圏外じゃろ? あたりまえじゃ~、電波なんぞ、存在せんのじゃから。」
これって、何詐欺?!
まさか、どこかの国に連れてこられたとか?
でも、ここまで、大がかりな事を、するだろうか?
まるまる、町一つ分、映画のセットのようになっている。
映画村よりも、はるかに規模が大きそうだ。
パニックになっていると、困ったように、
「疑り深い、女子じゃのぉ。
ん~~、それじゃ、少し歩かにゃならんが、清水さんにでも、行ってみるかえ!」
確かに、昔からの史跡に、行ってみるのがいいかも。
その道中、嘘だってわかるかも知れないし。
コクリと頷くと、男は嬉しそうに、私を連れて歩き始めた。
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