~ 鴨 ~

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「芹沢さんは、優しいですよ。」 そう、優しい。 八木家の子供たちに絵を描いているのを見かけたこともある。 こっそりと、勝手場に薪を運んでいるのも。 たぶん、あの人は不器用なのだ。 そう。 とてつもなく不器用。 行動のすべてを見られることなく、行動の裏を読み取られることもない。 哀しいほどの『不器用』 「とっても優しいです。」 私と接している芹沢さんを見て、イメージを変えることは出来ないだろうか? 粛清させないためにも。 皆から一度も名前を聞くことがないが、間もなく殿内義雄が粛清される。 そこからすでに、新撰組のひずみは始まっていく。 そして、新見錦、芹沢鴨。 このあたりで、そのひずみは確実なものになる。 .
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