~ 花信風 ~

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本当は女性が、こんな所へ、座るものではないかな? でも、なんだか、立っているのも疲れてしまった。 「半分正解で、半分は違うねゃ~」 柱にもたれ、龍馬は空を仰ぐ。 「どういう意味?」 意味がわからず、隣の龍馬の顔を覗き込む。 空を……、いや、どこか遠くを見つめ、龍馬は口を開いた。 「龍馬は二人おったき」 龍馬が二人? 「どういうこと? それに、いたって……、過去形?」 そよそよと、風が二人の周りを通っていく。 少し肌寒い。 「ちゃ~んと、オリジナルの龍馬がおった」 「え?」 オリジナルの龍馬? 寂しそうに笑い、龍馬は、二人の龍馬のことについて、教えてくれた。 .
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