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「一体、どうしたらええのやろ?」
「女子やというのに、足を出して、……みだらな」
「髪も結ってへんし、なんて、だらしのない」
ひそひそと、頭の上で声がする。
「ん……うぅ……」
まだ、眠いのに、うるさいなあと、思ったものの……。
あれ? なんで、知らない声がするの? 泥棒?!
いつもの自分のベットの上だと思っていた私は、飛び起きた。
と、そこは、自分ベットの上どころか、部屋でもなく、その上、どう見ても、屋外だった。
「え? え? なんで??」
きょろきょろと、見まわす。
突然飛び起きた私に、驚いたのか、私を囲んでいた人々は、少し、私から距離を開けていた。
「あれ? 今日って、なんか、お祭りでもあったっけ?」
私を囲んでいる人達は、全員着物を着ていた。
一人二人は見かけることはあっても、全員が着物なんて、珍しいこと、この上ない。
だが、人々の着物は、どう見ても浴衣ではない。
では、お茶会か?
それにしては、少し地味なような……。
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