5711人が本棚に入れています
本棚に追加
考えながら、少し身を捩ると、「じゃり」と、音がする。
地面をよく見ると、舗装されていない道。
まるで、学校のグラウンドで座っている時の様な。
「やだ! 制服汚れちゃう!」
あわてて、砂埃を払いながら立ち上がる。
と、人々は、さらに私から距離をとる。
はて? 私は、なんでこんなところで寝てるんだっけ?
ぼんやりと記憶を探ってみる。
……思い出した。
私、バスから投げ出されたんだ……。
そのまま、気を失ってしまったんだな。
それにしても、ずいぶん飛ばされたみたいだ。
見覚えのあるバス通りではないみたいだし。
何とも言えない表情をした人々を見て察するに、突然飛んできた私に驚いた……と、いうところかな?
身体のあちこちを触ってみたが、どうやら、擦り傷以外、怪我もなさそうだし、大丈夫そう。
「あ、すみません! もう、大丈夫みたいです!」
と、にっこり笑ってみせたが、人々の、怪訝そうな表情はそのまま。
(やりにくいなあ。)
.
最初のコメントを投稿しよう!