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女達が怯えてるのも気にせずに、私は自分の生活してる家の中に入る。
やっぱりこの家も白いレンガでできてる家。
中は外よりは少し温かく、空腹を擽るような美味しそうな匂いが充満していた。
裸足の裏についた土をドアの前で掃い、安っぽい布が一面に敷かれた床を進む。そして、近くにあった木でできた椅子に疲れきった身を沈めた。
肩のハリとか腕の疲労が今更どっと出てくる。
ふぅ、とため息を一つ。
と、もう一つ、この部屋の奥にあったドアがカチャリと開いた。
「…えっとぉ、…あ!フェアリス!帰ってきたんだ!お帰りなさいっ」
「ただいま」
ドアの向こうから姿を現したのは、リアス。この家に居候している数少ない…というか今では一人しかいない友達。
頭の上の方で2つに縛った髪を揺らして、目を細めながら、その大きめの口を可愛らしく吊り上げた。
右手に一枚の紙キレを持って、その右腕には沢山の食べ物の入ったカゴをぶら下げている。
それを釜戸の近くにある小さなテーブルに置いてから、疲れてる私を気遣いながらゆっくりと歩いてくる。
そして、壁際に積み上げられていた大きめの厚めの布を私の体にかけてくれた。
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