それならそうだと言ってくれ、

かたり、

「…すごい血の臭いね。水でも浴びる？それともご飯を先食べる？」

「…うん。ご飯が先。お腹が空きすぎて死にそう…」

眉間にシワを寄せてお腹を撫で回したら、リアスはクスッと笑って釜戸に向かった。

その後ろ姿を優しく眺めた。

――…

この世界は“リース”。もう一つの世界“地球”のパラレルワールド、と言われているのだが、“地球”のことを詳しく知ってる人は数少ないらしい。実際、私も知らない。

この世界の６割は“魔物”と呼ばれてる生物が住んでいて、人は魔物の住んでいる所を“魔界”と言って恐れていた。

残りの、人が住んでる４割は“ラト”。
ラトを囲むように茂る森の中に村があり、その沢山の村の中で特に大きな４つの村の中の１つが、このリリ村。

そして、さらに森に囲まれた区域には、すごく経済成長した場所がある。ビルとかデカイ病院とかお店とか、村の家とは比べものにならないくらい立派な家があるらしいが、まだ行ったことはない。
そこには、銃とか刀とか魔法を使う奴らがうじゃうじゃしていると聞いたことがある。

だからと言って、私はそういう道具を使いたいとか考えたりはしない。

私はいつも、身体だけを張った闘いしかしないんだ。