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空になった器をテーブルの上に置いて、
「ごちそうさま。美味しかった」
「どういたしまして。お湯沸いてるからお風呂に入ってきちゃいな」
「うん、そうする」
身体にかかってるタオルをよけ、座ってた椅子の背もたれにパサリとかける。
さっきリアスが入ってきたドアを開け、奥に進むと小さな個室が2つある。その1つがお風呂で、もう1つがトイレ。
お風呂の前のカゴの中に脱いだ服…というか私としては服と呼べるモノを投げ入れていく。
“使嚇”としての私の民族衣装は、リアスとか他のリリ族とは少し服が違う。動きやすい身体にピッタリ沿った短めの、上と下が繋がったモノ…って、なんか複雑だから説明しづらい。
とにかく動きやすさを追求したモノなのだ。
お風呂に入る前に桶で掬ったお湯を身体にかけて、血を流し落とす。髪についた黒い血。
…今日、倒した魔物は強かった。
5体を相手にしたというのもあるが、最近の魔物はどこかおかしい。
魔物は本来は体に血を流していないはず。なのに、今回相手をした魔物は血を私にぶちまけた。
確実になにかがおかしい。
…だからといって自分から調べるとか、そういう気はない。
私はただ、この村を命をかけて護るだけ。
私には、関係ない。
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