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ここで俺の家の事について語ろう。
四畳半の小さなアパートの一室で、冬である今はおこたが空間のど真ん中を選挙している。
壁際には本棚があって漫画や小説が綺麗に並べられてある。風呂はない。
変態幽霊女は、はぁと息を吐いておこたの熱に心も身体も暖められていた。
俺はスプーン一杯分の柚茶の素(ジャムみたいな)をコップに入れて、沸騰したお湯を入れた。
「はい。柚茶ね。よくかき混ぜろよ」
「あざーす」
この幽霊変態女は――。
「皇ジュリアっつてんだろぉ」
こ、こいつ心が読めるのか……。
……皇は柚茶を飲み終えてぷはーとか和んでいる。もうなんかここが我が家です故郷ですみたいな和み方で、俺は思った。
――こいつ、帰る気がないのか。
「これ飲んだら帰れよ」
「何処に?」
「帰るべき場所にだよ」
「あたし帰れない」
「何ゆえに?」
「プロテクト張られたって言ったじゃん。幽霊ってね。見つかると離れられないんだよ」
「マジでか」
「マジ(笑)」
「……(笑)←うぜー(笑)」
「いやあんたも(笑)使いやがったってるじゃん」
「喋り方おかしんだよ(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)ははははははははははは」
「いかん。壊れた……えーと」
「高梁純也でーす(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
「じゅ、純也ー。落ち着け――!!」
呼び捨てすんじゃねぇ皇……。
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