48人が本棚に入れています
本棚に追加
エステル達が《浮遊都市》からの脱出を図っている頃。
根源区画のレーヴェの身体の側に緑の髪の少年が来ていた。
そう、《道化師》カンパネルラである。
カン「……君が随分前から死による解放をのぞんでたのは知ってるけど………、まさかホントに死んじゃうとはね。」
カン「…………大陽を失った人間は脆い。天の大陽だろうと人間の形をした大陽だろうとね……。特に人間の大陽については、君やヨシュアを見てると良く分かるよ。」
カンパネルラはしゃがみ、レーヴェの額に触れた。
カン「ねぇ……、あの世で君が会いたいのは誰だい?家族?恋人?」
カン「いや、それは無いか。そもそも同じ場所に行けないし、君も分かってるだろ?」
カンパネルラは不敵な笑みを浮かべた。
カン「じゃあ……、“彼”かな?言っとくけど、あの世に“彼”はいないよ。」
そこでカンパネルラはある事を思い出す。
カン「そう言えば君は知らなかったね。“彼”がまだこの世にいるって。ごめんね~、盟主から君には言うなって言われててさ~。」
-パチン-
カンパネルラは立ち上がり指を鳴らした。
すると、カンパネルラとレーヴェの身体が渦に包まれる。遠距離移動だ。
カン「……君にはまだ働いて貰うよ。《執行者》No.Ⅱ、《剣帝》としてね。生きていれば“彼”に会える、会わせてあげる。悪い話じゃないと思うよ。」
カン「尤も、その時君は君じゃなくなってるだろうけど、ね。フフフフ、アハハハハハハハハハハハハ!!!!!!」
そして、カンパネルラとレーヴェは姿を消した。
最初のコメントを投稿しよう!