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ポッキーのことでいっぱいいっぱいになっていたので家に着くまで気がつかなかった。
「夕飯の食材買ってない……」
がっくりと肩を落としてソファーに腰を下ろすと、お腹目掛けてポッキーが勢いよく飛びついてきた。
「わ、わぁ!」
「ごめんね。お姉さんあたしを買ったから、ご飯が買えなくてお腹すいちゃったんだよね?」
「あってるようでちょっと違うよ……。あ、あと早くどいてくれると嬉しいかも」
ポッキーは小さいから重くはないけど、馬乗りになられるとさすがに苦しい。
「お姉さん、お腹すいてるならポッキーを食べて」
名案だと言わんばかりに手を叩いてポッキーは言う。
「へ?た、食べるって言われても……」
頭に浮かぶのはカニバリズムな光景。流石にそれは遠慮したい。
「だから、食べるのはこうやって……」
顔をポッキーの箱のように赤くながら、『んー』と口を突き出して少しずつポッキーが近づいて来る。
「えっえっ!? ちょっ!」
馬乗りにされているためろくに抵抗も出来ず私は……。
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