第九章

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慶太を失った今でも、やっぱり満は幸せなのかも知れない。 多くの人との出会いが、満の生きる支えになっている。 寂しくて、おかしくなりそうな夜もある。 それでも、耐えられるのは、周りの仲間達が居てくれるからだ。 満は拳を握って、気合を入れた。 「なんだか、やる気がみなぎってきました。」 満がそう言うと、加奈子も満に負けじと言った。 「じゃ、私も満ちゃんに負けてられないな!!」 その日は、いつもより早くラインが回った。 「おい、お前ら、気合入れすぎて早く流れてきちゃうから、こっちが大変だよ。」 と言いながら、嬉しそうに笑った。 その笑顔が、満の心を満たしていく。
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