第九章

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「じゃ、僕は行きますよ。今から役職会議があるのでね。」 そう言うと、男が出口の方に近づいてきた。 満の中で、何かが弾けた。 「愛を信じて・・・ 愛を信じて何が悪い!!!!」 満の声が、休憩室に響き渡る。 男は、満に向って冷たく言い放った。 「彼女の友達は、やっぱり失礼な奴ばかりだな。」 満は、拳を握り締めた。 「あなたは、可愛そうな人間ですね。 明日さえ、生きていく保証がない世の中で、人を信じれなくなったら、愛を信じれなくなったら、私たちは、何を信じて生きていけばいいんですか。 あなたみたいな、自分勝手で、自己中で、自分のケツもふけないやつに、人を馬鹿にしたり、人を傷つける資格なんてこれっぽっちもありません。」 男の顔が引き攣った。 「それから、愛を侮辱するあなたに、人を愛する資格はありません。 あなたが加奈子さんを訴えるなら、私たちは戦います。 あなたの奥さんには、申し訳ないと思います。 だけど、二人で始めた事を、一人で責任を取る必要はありません。」 満の言葉に、何も言い返せなくなった男は、 「ふざけるな!」 そう一言だけ言い、休憩室を去っていった。
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