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「じゃ、僕は行きますよ。今から役職会議があるのでね。」
そう言うと、男が出口の方に近づいてきた。
満の中で、何かが弾けた。
「愛を信じて・・・
愛を信じて何が悪い!!!!」
満の声が、休憩室に響き渡る。
男は、満に向って冷たく言い放った。
「彼女の友達は、やっぱり失礼な奴ばかりだな。」
満は、拳を握り締めた。
「あなたは、可愛そうな人間ですね。
明日さえ、生きていく保証がない世の中で、人を信じれなくなったら、愛を信じれなくなったら、私たちは、何を信じて生きていけばいいんですか。
あなたみたいな、自分勝手で、自己中で、自分のケツもふけないやつに、人を馬鹿にしたり、人を傷つける資格なんてこれっぽっちもありません。」
男の顔が引き攣った。
「それから、愛を侮辱するあなたに、人を愛する資格はありません。
あなたが加奈子さんを訴えるなら、私たちは戦います。
あなたの奥さんには、申し訳ないと思います。
だけど、二人で始めた事を、一人で責任を取る必要はありません。」
満の言葉に、何も言い返せなくなった男は、
「ふざけるな!」
そう一言だけ言い、休憩室を去っていった。
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