第九章

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静まり返った休憩室で、加奈子の泣き声が響いた。 満は加奈子の傍に行った。 「加奈子さん、あなたの罪は確かに社会的には、許されないのかも知れない。 だけど、あなたにはまだ明日があります。 悲しくても、辛くても、また愛を信じて、頑張りましょう。」 加奈子は、満に抱きついた。 そして、子供のように泣きじゃくった。 「満ちゃん・・・ありがとう・・・私の言いたいこと、全部言ってくれて、ありがとう・・・」 満は加奈子をぎゅっと抱きしめた。 「加奈子ちゃん、辛かったろう。でも、俺たち仲間がいるじゃないか。 何なら、俺が加奈子ちゃんと付き合ってもいいぞ。」 仲間達は、加奈子を励まそうと、冗談を言ってみせた。 「みんな、ありがとう。私はもう大丈夫だから!」 加奈子も、みんなの優しさに答えるように、笑ってみせた。
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