私。

4/4
前へ
/4ページ
次へ
目に見えるものしか 耳に聞こえるものしか 触れるものしか 確かめられるものしか 無いといったのは 少なくともここでは私だ。 愛はどんな形? どんな匂い?どんな色?どんな感触?どんなモノ? それは、理解できるものなのか 彼にいわれてから、誰かには数秒に感じる時間私の頭の中はめまぐるしく、それがめぐっていた。 (プッ‥プープーップップ) いつの間にか切れた電話。 雨の音で、立っている世界に戻った。 「…しまった‥!」 慌ててかけ直した電話の向こうから聞こえるのは、憎たらしい留守電コールのお姉さんの声。 聞き慣れて、聞き慣れすぎて憎たらしくなった知らない人。 何通も送るメール、なりふりも構わない私。 何度もかける電話、多分ストーカー並み
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加