招待状と100年の隔て

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  通っている高校では、許可をとらないと原付きバイクに乗ったり、免許をとったりしてはいけないのだが、高校には許可書を提出せず、無許可で免許をとっていた春萬樹は、自前で買った原付きバイクで黒い壁へと向かっていた。   (あれ?なんでこんなのに興味持ってんだ俺…)   今までマンガにしか興味が無かった萬樹はふと、そんな事を法廷速度ギリギリ越しているかいないかという速度で、バイクを走らせながら思う。   そして、交通機関の要じゃないかという程の広い道から、ここ行き止まりじゃないか?という程の細い道へと入っていく春萬樹は、見通しの悪い交差点を何度か曲がると、原付きバイクのアクセルを戻し、ブレーキレバーを握る。   顔を見上げると都会のビルのように高く、見てて倒れてきそうな、左右の端が見えないくらい一面に黒い壁が広がっていた。  
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