招待状と100年の隔て

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  「………………」   春はうーん…と考える人の如くこめかみに手をあてて考え込んだ。   (俺のには書いててアイツのには書いてないってどういう事だ?招待状はいいとして白紙で送る必要って…)   「ゴホン!!」   いや白くはないけどと深く考え込んでいた春にか、それともただ普通に出たのか、店員が少し強調した咳払いをする。   「ん?………あれ…?」   ふと後ろを振り向くと、早くしろよコノヤロウと言わんばかりの視線が金魚のフンの様に列をつくっていた。   「………いや!あの、スミマセ…あっ!」   春は財布を慌てて出したため、服に引っ掛かり床に落としてしまう。 そして、慌ててその財布を拾うと釣り無し分のお金を払い、そそくさとフェードアウトし退散する春萬樹であった。  
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