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「いってきまーす」
親に一応行くことを伝え、家を出ていった。
確か少し遅刻気味だったから今朝は何時もよりは急いでいたな……。
軽く小走りで俺は高校に向かって行った。
俺が通っている高校は自宅から近いというだけで選んだだけあって、スポーツがあまり得意じゃない俺でもギリギリ体力的に走っていける距離にある。
だけど全力で走り、間に合ったとして教室にハァハァ言いながら汗だくで入ってくる男子生徒とか嫌だろ?俺だったら「うわぁ……」とか思っちゃったりする。
それに俺は顔的にお世辞にもイケメンとは言えない普通の顔立ちだ。
そんな奴がさっき言ったみたいな感じで入ったら確実にイメージダウンにしか繋がらないだろう。
だからこそ俺は小走りをしていた。
もうこの際、少しの遅刻はしょうがないだろう。
そうそう、そんでもうちょいで高校に着くって所までは行ったはずだ。
このあと俺は何をしたんだ?
右手を顎の下に当て、よくある考えるポーズをしてみる。
「あ……。」
思い出した。
このあと俺は高校の目の前の十字路で、俺の好きな娘である春日歩美『カスガアユミ』が軽く寝ぼけてながら信号の前で立ってるのを見つけたんだ。
そしてそこにいかにも突っ込みそうなトラックを見て、春日が危ないと思い助けようとして轢かれたんだった。
「てことは、俺は死んだんだな」
実感は無いけど、思い出した結果それしか考えられない。
さっきまで悩んでいたことがあまり解決してないが解決したことにホッとしたとき、後ろから中性的な話し方の声が聞こえた。
「よく自分が死んだとわかって落ち着いてられるな君は。普通は死んだ人は暴れたり何かしらするのに」
そこには超と言っていいほどの美人が立っていました。
そして、ここからが俺の第二の人生スタートの瞬間でもあったんだ。
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