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「優?急がないと授業始まるぞ?」
「あ、はいっ!」
午後の授業はとても上機嫌ですごすことができた。
朝のあのモヤモヤは司先輩のおかげかどこかに消し飛んでいたみたいだった。
そして、
放課後のチャイムが鳴り、部活の時間になった。
司先輩にまた会えると思うと胸が高鳴る。
「あ、慎……」
「おっ!優!」
同じ部活なのだから会ってしまうのはしょうがないことだと分かってはいたけど…、少しだけ私は慎に会いたくなかった。
それに、慎の隣にはまた、あの佐藤先輩がいる。
「そんじゃ、慎。部活がんばれよ!」
大人びた低く甘い声。
女の私には一生出せない声だ。
(きっと、慎はこういう低い声が好きなんだろうな…。)
「がんばります!あ、夜メールしますね!」
「おっけ~!」
(やっぱり、あの二人なか良いよ…!)
みていられなくて、私は急いで部室に入った。
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