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慎と顔を合わせにくいのもあって、私はただひたすら練習に打ち込んだ。
そんな時のコトだった。
●♂○●♂○●♂○●♂○●♂○
「慎、お前さ、今日やけにおとなしいよな?」
司先輩から俺に話し掛けてくるなんて珍しくて、少し驚いてしまった。
「先輩には関係の無いことなんで、ほっといて下さい」
「……ふーん、俺はそう思えないんだけど?」
少しだけ、岡村先輩の視線が鋭くなる。
「お前さ、分かってんだろ?」
「は?いったいナンのことですか??」
互いに喧嘩腰になった時だった。
ドカッ!!
なにかが倒れて床に落ちた様な大きな音がした。
「優?!大丈夫!?」
マネージャーの声がすぐに聞こえたかと思うと、碓氷先輩の声がした。
「マヤ、危ないから離れてろ!司っ!早く手伝ってくれ!!」
「あ、ああっ!!」
岡村先輩はすぐに騒ぎの元に駈け寄る。俺もすかさず着いていく。
騒ぎの元には倒れて気を失っている優と、優の上にのしかかるように倒れているネットの柵があった。
「ゆ、優になにがあったんだよ?!」
俺の半分マジ切れの言葉におどおどとマネージャーが答える。
「ネットの位置をずらそうとしたら……、その……」
「お前……っ!」
俺が手を挙げようとしたときだ、
「コイツに手を挙げたら許さないから」
碓氷先輩に止められた。
「言っとくけど、マヤがネットの位置をずらそうとしたら、樽屋さんが自分から進んで『私がやるよ』って答えたんだよ」
「あ……っ!ごめん、マネージャー……。」
「俺が保健室に連れて行ってくる!!」
司先輩が優を抱き抱える。
「待って下さい、先輩。俺が運びます」
「………」
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