28人が本棚に入れています
本棚に追加
何が何だか最初よくわからなくて、途中でコトの重大さに気付いた。
「ちょっと慎!なにすんのよっ!?」
「!?優っ!!気が付いてたのか!?」
「気が付いたもなにも…、わ、わ、わ、」
「あ、いや、これは、えっと、」
「私のファーストキス返してよ!ばかっ!!」
「えっ?!……えぇっ!!」
「ひどい、慎はひどいよ!!」
「そのっ…俺っ!」
ガラガラっ
ドアが勢い良く開いた。
「あら、樽屋さん、気が付いたの?」
保健室の先生が入ってくる。
「ん?二人とも真っ赤だよ?どうかしたの?」
「「えっ、あ、嫌。なんでもないです」」
「?。じゃあ、樽屋さんはいまから家に帰りなさい。」
「えっ!でも、部活が……!」
「これは命令です。家で安静にしときなさい!部活には先生か、一言伝えとくから」
「わかりました…」
「荷物はもう持ってきたわ、じゃあね、気をつけて帰りなさい!」
早々と先生はそう告げて私たちを保健室から追い出す。
「慎、今日は私が家に帰るのついてきてよね!聞きたいことがいっぱいあるから!!💢」
私のファーストキスの恨み、晴らさせてもらおうじゃない!
「あー…、はい、わかりました。ここでまってて」
そういうと、慎はすぐに部室にもどりココに戻ってきた。
そのまま、二人ならんで下校する。
「ねぇ、なんで私にキスしたの?」
「あー…、それは…っ」
慎は顔を真っ赤にする。
「つ、つーかよ、高校一年でファーストキスとか信じらんねーっ!」
「う、うっさい!あんたと私は違うにきまってんでしょ?!」
「俺なんか、中二がファーストキスだったぜ!」
「どうせ相手は男のくせに!」
「!!、そうだよ!それの何が悪い?!」
互いに喧嘩腰になってしまう。
でも、こうやって言い合うのは久々だ。
「なんか、久しぶりだね、こうやって喧嘩みたいなことするの」
「そう…だな」
いまなら、正直に謝れる気がする。
「あのさ、この前の朝はごめん」
「…うん、別にきにしてねーし、わざわざ謝んなくても良かったのに」
「私が謝っておきたかったの」
「俺も、さっきはごめん…」
私たちはそのままたわいもない、話をして帰った。
慎はキスした理由を結局話してくれなかったけど……――。
最初のコメントを投稿しよう!