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放課後、委員会の会議が二年三組の教室で行われた。教室に入ると、すぐに司先輩に話し掛けられた。
「優も委員だったんだ!」
「はいっ!えっと、色々あって…」
「とりあえず、隣の席に座りなよ?」
優しく微笑みながら先輩は隣の席を指差した。
私はちょっと恥ずかしかったけど、先輩の言葉に甘えることにした。
会議の最中、隣の先輩のコトがすごく気になって、ちゃんと会議に集中することができなかった。
それに、たまに先輩のほうをみると、先輩もこっちをみていて、互いに目が合ったり、本当に会議どころじゃ無かったのだ。
「と、言うことで会議を終わるから!次からは準備とか始めるから気を引き締めて行けよ!施錠は、最後に教室でた奴なっ!」
委員長の吉井先輩の言葉を合図に全員が教室から出ていく。
「はぁ、やっと終わったーっ」
司先輩がおもいっきり背伸びをする。
「お疲れ様です!意外と会議長かったですね💦」
「そうだなぁ、もう七時だし、部活も終わりかけだな💧」
先輩の言葉通り、日も暮れているし、今日はもう部活にはいけそうにない。
少し暗い廊下には私の影と司先輩の影が並んで映っていた。
「そもそも、吉井先輩は話が長いつーのっ!一々いう言葉が熱い!!」
「たしかに、あの人熱血キャラですしねっ」
「『体育祭は気合いのあるものだけが勝つッ!!絶対にアキラメンナヨッ!』」
「ぷっwwww」
司先輩が吉井先輩の真似をする、何だか面白くて笑ってしまったけど、正直なところあまり似てなかったのは気にしない。
私が笑ったのが嬉しかったのか恥ずかしかったのか、司先輩は顔を赤くして下を向いてしまった。
「わ、笑うなよ!!」
「だって面白くって!あははっ!」
「~~~~~~っ!笑うなーーーーーーーーっ!」
司先輩が珍しくジタバタしながら照れている。
不覚にも、そんな先輩が何だか可愛いなと思ってしまった。
「つ、つかよ、優っ!///」
「はい?」
格好つけるようにピシッと私を指差すと、先輩が言った。
「今日も俺がお前を送っていくから!!」
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