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「…はいっ!」
先輩は格好つけたつもりかも知れないけど、…可愛かったです←
私は、なるべくながく一緒にいたくて、わざとゆっくり歩く。
司先輩も同じ気持ちなのか、私にあわせてくれてるのか、私のペースに合わせてくれていた。
「日暮れにしては夕日が綺麗ですよね」
「そうだな~、………なぁ、俺、優に聞きたいことが有るんだ」
「ナンですか?」
「あのさ、優は慎のコトどうおもってる??」
「うーん、バドが強くて羨ましいなぁって感じです」
「いや、そういうコトじゃなくて、恋愛的には?」
「あ、……別に、ただの友達ですよ」
「じゃあ、俺は?」
「えっ?!?!」
唐突な質問にとまどってしまう。
(私の、先輩に対する気持ち……?)
先輩後輩の感情とは違う。
でも、友情ともちがう。
これってなに??
「わからないならいいよ。きにすんなっ」
先輩は困っている私を優しくフォローしてくれた。
「ついでにいうと、俺は優のコト好きだよ」
「えっ……?!」
最初はまた冗談を言われたのかと思った。
でも、今回は先輩は別にふざけているわけでもなく、真面目に言ったのだ。
「えっと、それはどういうたぐいで……??」
先輩は私の言葉に一瞬だけど、なぜか淋しそうな顔をして、また、いつもの笑顔になって、
「秘密だよ」
そういうと、
私の手を握った。
(せ、先輩……っ?!///)
先輩は少しだけ強引に私の手を引いて、さっきよりはやく歩きだした。
●♂○●♂○●♂○●♂○●♂○
自分でも、らしくないことをしてると思った。
いま、俺は強引に優を引っ張るようにして歩いている。
そして、優は俺の歩く速さにあわせてついてきてくれている。
互いに何か言葉を交わすわけでもなく、ただ無言で歩く。
でも、気まずいわけじゃない。
なんとなく、落ち着いた気持ちでいる。
(あーあ、俺って救われねーのな、)
気が付いたら、彼女の家の前についていた。
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