プロローグ

3/3
前へ
/192ページ
次へ
入部してから、他クラスの人とたくさん知り合った。 その中でも、仲が良いとか、そういうわけじゃないけど、ナゼカいつも気になったのは二年の岡村司先輩だった。 「樽屋、お前今日何時まで部活やる??女子は早めに帰っていいよ」 「岡村先輩…っ!えっと、2セットしてから帰ります!」 「2セットか……、その頃には大分暗くなってるなー…。たしか、家近かっただろ?俺が家までおくるよ。」 「せ、せせ先輩がですかっ?!」 「そうだよ?嫌だった??」 「そんなわけじゃないですけど……(は、恥ずかしいよっ💦)」 私が返事に困っていると慎がすぐにやって来た。 「先輩、心配しなくても、優は俺が送りますから」 『そんな、勝手に決めないでよ!!』そう言おうとしたときだった。 「べつに樽屋はお前のもんじゃないだろ?そう決め付けんなって!慎、お前はちょーっと過保護だぞっ!!」 岡村先輩がフォローを入れてくれたのだ。 申し訳ない気もしたけど、ちょっと嬉しかった。 「過保護って…そんなことないっすよ!!俺は…」 「ちゃんと樽屋に決めさせてやれよ、な?」 「……っ!」 「なぁ、樽屋。一人で帰るのと、俺か慎と帰るのどっちがいい?」 「えっ!あ、いや、その…、今日は一人で帰ります」 「了解~!」 岡村先輩はいつものコミカルなノリで返事をする。 本当は岡村先輩と一緒に帰りたかったけど、少し恥ずかしくてつい断ってしまった。 帰り道、 今度は私から誘ってみようかな?とか考えだけど…… 「恥ずかしくて無理だよーっ!!」 そんなこんなで有頂天な私は、 「優…、……。」 私が一人で帰るのと答えた時の、慎の寂しげな姿に気付けずにいた。 .
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加