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そのまま私は、司先輩と一緒に帰った。
駅までで良いって言ったのに家の前まで送ってくれた。
「あれ?お姉ちゃん今日は慎兄ちゃんとじゃないんだ」
「お、理?!」
「あ、弟くん?」
理は司先輩の方をむくと、律儀に挨拶をした。
「優の弟の理です。お姉ちゃんがお世話になってます。あと、能天気な姉ですが、大切にしてやってください」
「ちょ、ちょっと?!」
「もちろん、大切にするよ」
「冗談は止めてください!!」
司先輩の言葉が嬉しくて顔が赤くなっていくのがわかる。
「じゃあ、また明日学校で」
「はいっ!またあした~!」
司先輩の背中を見送りながら、何故かわたしは慎のコトを考えていたのだった。
夕飯を終え、テレビを見ていると隣に理が来て言った。
「俺さ、お姉ちゃんは慎兄ちゃんと付き合ってたのかと思ってた」
いきなり何を言うのかと思えば、
「慎は男の子にしか興味ないから私はきっと眼中に無いよ」
「何それ?!
慎兄ちゃんってそんな趣味だったの!!」
「あれ?中学のときに、慎が男の先輩と付き合ってたの有名だったよ??」
理はとても驚いていたけど、
噂話に疎い私でさえ知ってることを理が知らないことに私はびっくりだった。
「え、あ、ちょ、色々ショックナンですけど…」
この時私は、この会話が明日あれに繋がるなんて思いもしなかった……。
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