第二十五戦…全てを失った日

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その間にも忠勝は槍の長さを活かして疾風の如く次々と攻撃を仕掛けてくる。 忠政には最早槍の形は見えていない。相手の腕の角度だけで攻撃の来る場所を判断していた。的確に刀で防いではいるが忠勝の一振りの強さに次第に押されていく。 その状況を木陰で見ている弥七は唾を飲んだ。そして同時に自分が全く瞬きをしていないことに気が付く。目の乾きの気持ち悪さに後押しされて手で目をこすった。 視界が暗くなる中、涙が溢れ出て目を潤す。 しかし、手をどけて目を開いた先に見えたものは信じがたい光景でしかなかった。 「……父上?」 忠勝の槍が父親の胸に深々と突き刺さっていた。 その時だけ、辺りは静寂に包まれていた。
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