第二十七戦…壊滅

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「……しかし」 「たまには正好の言うことに甘えてもいいんじゃないか?」 弥七が千代の方を見ずに言い放つ。千代から見る弥七の表情は緊張が解け、安心していた。 「正好の言う通り、お前は怪我しているんだからな」 「それも……そうですが」 弥七達に言いくるめられた形になった千代は肩を落として再び座り込む。不満げな顔をしてはいたが、弥七と正好にとって先の戦で千代の働きには言うことは無かった。 「お前はその足でよく俺のところまで駆け付けてくれた。お前がいなかったら俺は忠勝に――いや、敵の兵に討ち取られていただろう」 どこか遠い目をする弥七。危なっかしい千代を守ってやらなくてはならないとずっと気負っていたが、守られているのは存外自分なのかもしれない。
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