一章 1

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『黙示録の赤き竜』が世界を終わらせた有史以来最悪の事件。 此れを『大破壊』と呼ぶ。 人類は其れからたった数年程で幻想種と呼ばれる奴等に対する対抗手段ってのを奇跡的にも見付ける事が出来た。 っても其れ迄は酷いもんだったらしい。 何てったって奴等、其れ迄人類が長い歴史を掛けて造り上げた、所謂『近代兵器』?って奴が一切効かないんだ。 逃げ回る以外に方法なんて無かったらしい。 けどなんとか数年で対抗手段を見付ける事が出来た。 其れが『魔力』だった。 今でこそ常識になってるけど、其れ迄の人間は魔力なんてモノは持ってなかったらしい。 多分、『幻想種がこの世界に現れる』って云う異変の影響で扱える様になったんじゃないかって考えられてる。 此の魔力って奴は色々使い方があるんだけど、戦闘方法として代表的なのは二つ。 『魔力を形や性質を変化させて放出する』 『武器や身体に魔力を帯びさせて強化する』 大体は此の二種類に分かれる。 前者は所謂『魔術』って呼ばれるもので、魔力其のものを火やら電気やらに変質させて攻撃したり、応用を利かせれば結界を張ったり、傷を癒したりも出来る。 後者は単純明解。 武器を魔力でコーティングして攻撃したり、身体強化をしたり。 応用すれば、折れた骨を補強したり、止血したりもできる。 直ぐに治る訳じゃ無いし対象は自分のみだけど。 此の二つは、其々向き不向きがあって、どっちの方法でも強力な攻撃が出来るって奴は滅多に居ない。 此の『魔力』を用いた攻撃が唯一、幻想種に対して有効なダメージを負わせられる方法って云うのが発見された。 其処から人類は其れを研究して、遂には逃げるだけだった幻想種と不利ながらも戦える様に成って行ったらしい。 そして、戦える人間を集めて、戦えない人からの依頼を受けて出動する、と云う様な感じで、今の『ギルド』の原型が出来ていった訳だ。
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